「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」

この週末、少し時間があったので「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」を読んだ。

大学の「ワイン友の会」の仲間3人が、桔梗ヶ原メルローというワインに出会い、それを生んだ日本の醸造家・麻井宇介(うすけ)の思想を受け継ぎ、3人それぞれが日本では絶対に無理と言われたワイン用ぶどうの栽培から醸造までを一貫して手がけるワイン造りにすべての情熱を傾けるというドキュメンタリー。

3人というのは、ボー・ペイサージュの岡本英史、Kidoワイナリーの城戸亜紀人、小布施ワイナリーの曽我彰彦。

ワイン作りは農業でありワインは農作物なのだ。日本酒は米だけでなく、いい水といい腕の杜氏できまるが、ワインはブドウ(と酵母)だけの力で発酵し酒になるので、その良し悪しはブドウできまる。醸造技術にばかり目を向けていた彼らが、日本では絶対に無理と言われてきたワイン用ブドウの栽培にチャレンジしていくヒューマンドラマ調のノンフィクションとなっていた。

今では彼らの苦労も実り、日本ワインファンなら彼らの名前を知らない人はいないと思う。彼らの理想のワインは三者三様。この3人だけでなく、日本ワインの作り手たちは同様に苦労してきたのだろうし、それぞれ自分の作りたいワイン、理想のワインがあるのだろう。だから、ワインを飲む側も作り手の思想を知って飲んだらもっと楽しいだろうし、奥深く味わえるのかもしれない。

10月にこの本を原作にした映画「ウスケボーイズ」渡辺大で主演で公開されるとのこと。

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