オペラ『トスカ』を鑑賞す

約1年ぶりのオペラ鑑賞は新国立劇場『トスカ』。嫉妬が悲劇を生むという古典の典型ではあるが、そこまで人を殺さなくても、と思う物語である。


緊急事態宣言前で、入場制限が緩和されているころにチケットが販売されていたので、空席は目立つものの、そこそこ入っていたように思う。少なくとも私の周りの席は、ほぼ埋まっていた。


感染防止の観点から構成を変更したとのことだったけれど、トスカとカヴァラドッシは結構、顔を接近させたり抱擁したりして歌っていた。


歌手たちの感染防止はさぞかし徹底しているのだろうことが伺えた。


劇場に行く前に、いつもの呉服屋さんに寄り道して、12月に購入した反物を受けとったり、お買い物をしたりで、荷物を抱えていたのだが、クロークで荷物を預けられない!  感染防止のためだそうだ。トホホである。お隣のおじさまを大きな荷物を持て余しておられた。


ブッフェも閉まっていた。お昼を食べる時間がなかったので、ブッフェでサンドイッチでも買って食べようと思っていたのだが、ホワイエでの飲食もできないし、ブッフェも閉まっていた。またまた、トホホ。


こんな時なのだから、ちゃんと確認していけばいいものを、と反省する。


カヴァラドッシのテノールがとてもきれいで、伸びがあって惚れた。フランチェスコ・メリーという歌手。拍手も一番大きかった。ブラボー叫びたい人、きっとたくさんいただろうな。一幕最後の、礼拝堂の「テ・デウム」も壮厳で圧倒された。そんななかでスカルピオが邪悪な陰謀を吐露するのという対比が面白くもあった。


さて、1年ぶりのオペラ鑑賞の装いは

臈纈染の訪問着 by 佐波理

ねん金・汕頭刺繍の名古屋帯 by 尾峨佐染繍


この着物は、買わされた感が強くて気に入ってなかったし、訪問着なので、着る機会もなく、2回しか着ていなかった。たまには風を通してやろうか、と引っ張り出してきたのだが、なんだかいい感じじゃない? 

ながもちやさん・メルカリリスト入りはしばらく見合わせることにしようと思う。