香を聞く

11月27日は月に一度の文化講義。第5回は「香」。

香道では香は「嗅ぐ」のではなく「聞く」。
「嗅ぐ」という言葉から意識される動物的・生物的な感覚をきらい、また、しっかり心を傾けて香に集中するという意味で「聞く」というのだそうだ。

香には六国と呼ばれる伽羅(きゃら)・羅国(らこく)・真南蛮(まなばん)・真那賀(まなか)・寸門陀羅(すもんだら)・佐曽羅(さそら)6つの大別される。これは香木の種類によって分けられるのでなく、香を基にお香やさんが任意に決めるのだそうだ。同じ木の香りでも、お香やさんによって伽羅だったり羅国だったりするらしい。

聞香(もんこう)はなかなか面白いゲームである。
まず証歌と呼ばれる、その聞香の会のテーマの歌が示される。これは、源氏物語伊勢物語万葉集などの和歌集から選ばれる。
そして香組というものに則っていくつかの香りをあてっこするのだが、香りには名前がついていて、その名前にはさらに聞の名目というのがあり、回ってきた香の順番に聞の名目を書き留める。そうすると、順番に書いた答えがひとつの歌になるという何とも趣のあるゲームなのだ。

聞香を通して古典に触れるという楽しみもある。

もう少し余裕のある生活ができたらやってみたいのだが……。文化講義のおかげで、やってみたいことがどんどん増えていく。

さて、この日のコーディネートを。

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お友達のお母様の遺品の大島(「5年ぶりに映画を観た」参照)
帯はグレーの紬地の染めに貝紫の螺鈿が施されたもの。帯締めはトモコちゃんに褒められた朱色にしたかったが、ちょっと趣向をかえてピンク。帯揚げもピンク系でおとなしめに。
この大島はなかなかのお気に入り。まなかりさんに感謝。