甲州を楽しむ

 甲州といってもワイン用ブドウの甲州種のこと。
2010年に日本固有のぶどうとしてははじめてOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)に、醸造用ブドウとして品種登録されたのだそうだ。

このワイン、十数年前に飲んだ時、ブドウの匂い(フォクシーフレーバー?)が鼻について全然おいしいと思えなかったので、それ以降まったく飲んでいなかったのだが、最近、世界的にも人気が高いらしいので、調べてみた。

甲州種のワインは主に次の4タイプがあるらしい。
・シュール・リー
・樽発酵
・果皮と一緒に仕込むタイプ
・早く収穫する事で柑橘系の香りを強く出したタイプ

シュール・リーは Sur Lie (滓の上)のこと。発酵終了後も滓を取り除かずにそのまま発酵容器の底に残して、ワインと一緒に数ヵ月保存する方法とのこと。複雑実、旨味を引き出すというメリットに加えて、瓶詰するまでワインの移動が無いので、新鮮さを保つことができるとのこと。代表的なのがミュスカデ。

で、飲んでみたのがこの2つ。
20180802224454606.jpg 

シャンモリワイン 甲州シュール・リー 2016
シャトー・メルシャン 山梨甲州 2016

シャンモリワインのほうは、さわやかな酸味とミネラル感たっぷり。甲州の苦みと渋みが効いていた(効きすぎかも)。
シャトー・メルシャンは、フォクシーフレーバーが若干気になるが、さわやか。でも、飲んでいるうちに飽きる。 

果皮と一緒に仕込むタイプは、ボージョレー・ヌーボーのマセラシオン・カルボニック(MC)という方法が有名だが、甲州種もこの方法かどうかは不明。MCは、これはブドウを皮ごと容器に詰めて嫌気性で発酵させる方法。
421a4f85.jpg 

「シャトーメルシャン甲州グリ・ド・グリ」や「グレイス グリド甲州」も皮ごと仕込む製法だけれど、シャトーメルシャンの発想は、ブドウの個性をそのまま引き出すために丸ごと仕込むらしいので、ブドウの自重で潰すのではなく、外圧がかかっているかもしれない。

で、飲んでみたのはこの2つ。

20180802224446658.jpg 
ルミエール プレステージ 甲州オランジェ

20180802224451326.jpg 

シャトー・メルシャン 甲州グリ・ド・グリ 2015

ルミエールのオランジェはMC発酵してたる熟成していると書かれていた。果物の香りがやわらかく、樽で深みが増している感じ。

グリ・ド・グリはオランジェよりピンクがかったオレンジ色がきれい。バラ(?)のかすかな香りがする。甲州特有のえぐみが抑えられてまろやかな感じ。とてもおいしい。

日本のワインは、気候的なハンディをカバーする醸造技術の進歩が素晴らしい。頑張れ~!

さて次は、早く収穫する事で柑橘系の香りを強く出したタイプとして、「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香」を飲んでみる予定。