着物を着るにも科学する心が大切だ。
羽織紐を落としたと昨日書いたが、原因は静電気。
いえ、静電気が直接紐に採用したわけではない。
着物が静電気で足にまとわりついて歩きにくくて、裾を直しながら歩いているうちに、紐が落ちたのだ。
そこで静電気の発生原因を改めて振り返ってみた。
一昨日の着物、長襦袢、下着の組み合わせが最悪だったのだ。
なんで一昨日に限って正絹の長襦袢にしちゃったんだろうって、後悔しきり。
絹は静電気起きないっていう人がいるけど、それはうそ。絹はプラスに帯電する性質があるので、マイナスに帯電するポリエステルとは相性が悪い。
私は大概、長襦袢にはシルックを着る。シルックはポリエステルだが静電防止加工がしてあるので、着物が正絹でもほとんど静電気は起きない。長襦袢がポリエステルのシルックということで、下着も大概、裾除け部分がポリエステルの着物スリップを愛用しており、静電気に悩まされるということはあまりなかったのだが、あまり考えないでいると今回のような失敗をする。
正絹の長襦袢を着るときに注意しなきゃいけないのは、特に裾除けの素材だ。今回の私のように裾除け素材がポリエステルなんてのを着てはいけないのだ。シルクの裾除けなんていうのはあまりないし、高価なので現実的ではない。綿素材は静電気の心配はないが裾裁きが悪い。一般的なのはキュプラ(ベンベルグ)だろうか。キュプラは綿由来の化学繊維で、比較的帯電性が低いし、裾裁きも軽い。だったら普段からキュプラ素材にすればいいのだろうが、手軽さという点で着物スリップに軍配が上がってしまう。
因みにレーヨンもプラスに帯電する性質があるので絹とは相性がいいと思う。
つまりは、着物を美しく着るには科学する心が大切だということだ。という教訓を得て、今年の投稿はおしまい。
みなさま、よい年をお迎えくださいませ。