土屋順紀と紋紗

先週土曜日、美しいキモノ・アカデミー「第15回・重要無形文化財「紋紗」保持者の土屋順紀先生の制作の現場から」に行ってきました。

土屋先生が制作をされている自然豊かな関市のお話から、現在のお仕事に至ったいきさつ、草木染、織り技法、先生ご自身の創作への思い等など、楽しく勉強になるお話を伺いました。

とても柔らかな語り口が印象的でしたが、何より先生の作品のすばらしさにうっとりしてしまいました。
 実は、この講座の前、美しいキモノの春号と夏号の人間国宝対談で土屋先生との森口邦彦先生の対談が掲載されていて、その記事に使われていた先生の作品の写真を見ても、何がいいんだろう? と思っていたのでした。しかし、実物を見るものですね。優しい色と見事なまでの透け感は実際に見てみないいと。
 
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先生は身近に生えている植物から糸を染めるのだそうです。草木染が優れているとか化学染料がよくないとかではなく、化学染料を使ったことがないからだと。

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そして、改めて紋紗の組織について調べてみました。

織には平織、綾織、繻子織という三原組織があります。着付け教室の師範科の試験で出てきましたっけ。

三原組織経糸緯糸を交差させて織りますが、それとは違って経糸が交錯して緯糸間に隙間をつくる綟り織とか搦織(からみおり)と呼ばれる組織があります。綟り綜絖(または振綜絖=ふるえそうこう)と呼ばれる特殊な綜絖を使って織り、お着物の世界でよく出てくる紗とか絽とか羅は、この捩り織を基本にして織られます。

紗は、経糸2本(綟り経と地経)が一組になって、綟り経1本が緯糸1本ごとに地経1本と右や左

に交錯する織物です。

紗組織
この紗組織と平織の組み合わせで文様を表した織物を紋紗といいます。経糸緯糸に同色の糸を使い、組織の

違いのみで文様を表す。薄く、透き目があるので通気性に優れ、夏向きの織物です。


紋紗 

と、こんな風に説明はできても、実際の生地を見ると組織が細かくて、よくわからないことが多いのです。まだまだ修行が足りません。

で、最後に講座参加の記念写真です。

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この着物も紋紗なのですが、写真では全然わかりません。帯締めの選択が残念でした。(;´д`)