<span itemprop="headline">絽の本加賀友禅</span>

昨日、一昨日と金沢(お泊りは和倉温泉加賀屋)に加賀友禅の展示会に行ってきました。

夏の訪問着がもう一枚欲しいと思っていたので、絽の加賀友禅がもしもあったら、絶対買うわ~っ!って思って。内心、あるわけないよね、と思いつつ。

最近は着物を着る人が少なくなって、特に訪問着は、盛夏に着る機会はごくごく限られるので、需要もないうえに、薄い絽の生地に友禅をさすのはとっても大変なので、ほとんどお目にかかることはない。

そうはいっても、一応夏物もあるにはある。単衣の時期からなるべく長く着られるようにっていうことで、楊柳とか、最近ではもう少し薄地の浜ちりめん地の夏物。

でもね~、7月、8月には着ませんよ。少なくとも私は着たくない。で、ずっと、もしも絽の加賀友禅があったら欲しいって思っていたのでした。そんなことを、同行してくれたいつもお世話になっている某呉服屋さんの担当者に告げると、何十人もの作家さんが集まった広い会場中を探し回ってくれました。

たったの2枚だけありました。
展示会初日の朝一番ってのは、大切だわ。午後だったら売れちゃってたかもしれない。

でもって、そのうちの一枚がこれ。



これに、上村陽道の紙布の袋帯を合わせて、完璧じゃん、って思えたのでした。

しかし、これしか見ないで帰るなんてもったいないじゃん。他も後学のために。それに京都からきている帯のメーカーさんにもご挨拶をしておかないと、なんて気軽な気持ちで、冷やかし半分で1時間ほどたったころ、遠くのほうで私を見て、にま~って微笑むおっさんと目が合ってしまったのでした。

そうして長~い思案の時を経て、長い間欲しいと思っていたこの加賀友禅は、なぜか絽の刺繍の訪問着に化けてしまったのだとさ。