本場結城紬と重要無形文化財
先日、お世話して(もいるし、貢いでも)いる呉服屋さんに行ったら、ぜひ私に見せたい珍しいものがあると、本場結城紬の反物を出してきた。
重要無形文化財の貴重なものだ、と目を輝かせて写真の向こう側の兄ちゃん二人が言うのだが、証紙は茶色で「高機」との記載。
その条件は材料、染め方、織り方の3つ。
② 絣模様を付ける場合は手くびりによること(染め)
③ いざり機(地機)で織ること(織)
手くびりは地色の濃い糸に絣をつけるのには有効だけれど、淡い地色に濃い絣模様をつけるのは難しく、コントラストがでにくい。
地色の濃いきものが主流だった時代には問題なかったのだけれど、白地の紬が流行るようになった昭和30年代以降は、白地に絣をつける際に、染料を直接擦り付ける方法がとられるようになった。でも、この染料を擦り付ける方法は重要無形文化財にに指定された方法ではない。
手つむぎの糸を使った地機の平織であるにも関わらず、重要無形文化財の証紙が貼れない。難しい技術で苦労して作っても価値が低いとみなされてしまう。ということで、産地側は2005年に、「重要無形文化財」の文字のない「本場結城紬」の証紙に切り替えてたという経緯がある。
ちなみに、本場結城紬は以下の4種類
地機の平織
地機の縮織
高機の平織
高機の縮織
呉服屋さんならちゃんと勉強しておこうね。兄ちゃん。
とは言え、せっかく俄か仕込みの知識をひけらかしながらわざわざ見せてくれたので、当ててみた。
私的には、帯のほうが気になったのだった。
そして、この日の装い
夏大島の着物に能登上布の八寸帯